「世界華商大会」の変遷にみる中国の「対ASEAN戦略」

樋泉克夫
 神戸で開かれた第9回大会の開会式 (C)時事
神戸で開かれた第9回大会の開会式 (C)時事

 今から1カ月ほど遡るが、9月24日から26日まで、四川省の省都である成都で、101の国と地域から3000人余の華商を集め、第12回世界華商大会(WORLD CHINESE ENTREPRENEURS CONVENTION)が開催された。

 振り返れば、第1回世界華商大会が開かれたのは1991年のシンガポールだった。以後、香港(1993年)、バンコク(1995年)、バンクーバー(1997年)、メルボルン(1999年)、南京(2001年)、クアラルンプール(2003年)、ソウル(2005年)、神戸・大阪(2007年)、マニラ(2009年)、シンガポール(2011年)と、各地の華人社会の中核組織である中華総商会によって2年に1回開催されてきた。もちろん、華人資本と中国資本の取り込みを目指したタイ、カナダ、マレーシア、韓国、フィリピン、シンガポール各国政府も、濃淡の差はあれ大会を支援している。

 

中国の「自然演変」を目指して

 第1回の大会参加者は中国からの参加者を含め約800人だったが、5000人超の大会史上最多参加者を数えた第6回の南京大会では、主にASEAN(東南アジア諸国連合)華人企業との取引を求める中国側の中央・地方政府系企業と民間企業関係者が多くを占めていた。対して、 今回の成都大会は3000人と参加者数は南京大会に及ぶべくもないが、参加国・地域数では大会史上最多を記録している。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫
樋泉克夫 愛知大学教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年より現職。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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