後継として手塩にかけた長男は去った。盟友の裏切り、ネット部門の出遅れ――新たなメディア再編のうねりが“帝国”を翻弄している。[ニューヨーク発]昨年暮れに登記上の本社を創業の地である豪アデレードからニューヨークに移し、その後も映画、テレビ、新聞と事業各分野で業績はそれなりに好調。だが、名実ともにグローバル総合メディア企業となったはずのニューズ・コーポレーションに、いま終焉の影が静かに忍び寄っている。 後継者として育てた長男の突然の離反、グリーンメーラー(買い占めた株式の高値買い戻しを迫る買収者)と化した盟友、そして何よりも半世紀にわたり強引な合併・買収(M&A)も辞さない手法で帝国を築き上げてきたメディア王、会長兼最高経営責任者(CEO)ルパート・マードック(七四)自身の老い――。
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