裁判所で認められる5つの離婚原因

執筆者:藤沢数希 2013年11月9日
カテゴリ: 文化・歴史

 そもそも日本の法律ではいかなる場合に離婚が認められるのか? それは民法770条1項に書いてある。

 民法770条1項

1.配偶者に不貞な行為があったとき

2.配偶者から悪意で遺棄されたとき

3.配偶者の生死が3年以上明らかでないとき

4.配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき

5.その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

 3と4は読んで字のごとくそのままの意味である。5は要するに、裁判官の主観で、性格の不一致など、なんでもありうるという意味であるが、ふつうはこういう包括条項を乱用するのは避けるものである。それで見慣れない言葉があるのは1と2である。

 1の不貞というのは浮気のことだ。裁判所で浮気といえば、肉体関係、つまりセックスをしたかどうかが全てであり、いわゆるプラトニックな恋愛というのは全く不貞行為に当たらない。浮気か本気かというのもぜんぜん関係ない。問題があるのはセックスの有無だけだ。

 さらに裁判所が考える配偶者以外の相手とのセックスの罪にも濃淡があって、継続的にセックスをする相手がいた場合は文句なしに「不貞行為」になる。柔道で言えば「一本」だ。しかし旦那がソープランドに1回行ったとか、その程度のものでは離婚の理由となる不貞行為として認められる可能性は低い。「有効」は取れるかもしれないが。また、一時の迷いで旅先で1夜限りの関係を持ったなどというのは、ソープランドよりは罪が重いだろうが、それが離婚を認めるほどの不貞行為になるかどうかは、男女の別や裁判官の価値観によって意見が割れるところだろう。まあ、「技あり」ぐらいだ。

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執筆者プロフィール
藤沢数希 理論物理学、コンピューター・シミュレーションの分野で博士号取得。欧米の研究機関で研究職に就いた後、外資系投資銀行に転身。以後、マーケットの定量分析、経済予測、トレーディング業務などに従事。また、高度なリスク・マネジメントの技法を恋愛に応用した『恋愛工学』の第一人者でもある。月間100万PVの人気ブログ『金融日記』の管理人。著書に『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?』(ダイヤモンド社)『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』(同)『「反原発」の不都合な真実』(新潮社)『外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々』(ダイヤモンド社)など。
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