米イラン合意はなるか

池内恵
執筆者:池内恵 2013年11月9日
カテゴリ: 国際

 ジュネーブで11月7日から行われている、イランと安保理常任理事国+独(P5+1)の間のイラン核協議が、8日あるいは交渉の期間を延長して9日にも、枠組み合意に至るのではという観測が高まっている。中東歴訪中のケリー米国務長官がモロッコとアルジェリアへの訪問を取り止め、8日急遽ジュネーブ入りし、英・仏・独も外相が急遽ジュネーブ入りして交渉に加わったことから、合意に向けて交渉が大詰めを迎えているという観測が高まっている。イランのザリーフ外相も、ジュネーブ交渉入りする直前に合意に前向きな姿勢を示し、期待を煽っている。

 今回合意されるとすれば、最終的な解決に至るまでの工程表(ロードマップ)を示す枠組みに関するものだろう。工程表には、その第1段階で、イランが濃縮度20%のウランの生産を停止し、それに対して米国がイランの対外資産凍結など経済制裁を一部解除するといった、部分的・一時的な措置で信頼醸成を図る項目が含まれるだろう。早期に一定の成果を出したいロウハーニー大統領とオバマ政権の双方の利害は一致している。

 オバマ政権は6月のロウハーニー大統領当選の直後から経済制裁の実質的な緩和でシグナルを送っていたという報道も出てきた。オバマ政権の「本気度」を示すものだろう。もちろんこれも、対イラン雪解けムードを演出するオバマ政権側のリークと考えられることから、全て文字通り受け止めるわけにはいかないが。

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執筆者プロフィール
池内恵
池内恵 東京大学先端科学技術研究センター准教授。1973年生れ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書、2002年大佛次郎論壇賞)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、2009年サントリー学芸賞)、『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、本誌連載をまとめた『中東 危機の震源を読む』などがある。個人ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝」(http://ikeuchisatoshi.com/)。
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