「資本主義浸透恐れるな」と檄を飛ばした金正恩(下)「賃金100倍」の鉱山も出現か

平井久志
執筆者:平井久志 2013年11月10日
エリア: 朝鮮半島

 朝鮮総連機関紙「朝鮮新報」による、北朝鮮内閣事務局の金ギチョル副部長と国家計画委員会の李ヨンミン副局長へのインタビューで明らかにされた北朝鮮の経済管理改善措置とは、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が党中央委総会で語ったように「生産手段に対する社会主義的所有を確固として固守しながら、国家の統一的指導のもとで、企業が経済活動を独自的、創造的に行なっていきながら、生産者大衆が生産と管理の主人公としての責任と役割を十分に果たすようにする社会主義企業管理方法」ということだ。生産手段の私有化は認めず、国で経済を統一的に管理するが、生産現場にできるだけ権限を委譲する方向で経済改革を行なうということだ。

 2人はインタビューで「われわれの作業班では生産者大衆が生産活動と管理の主人として自覚を持ち、責任と役割をすべて果たすことのできる方法を研究している」と答え、現場労働者の権限強化の方向性を示した。この上で「現場では社会主義経済分配原則の要求に合わせ自分が働き、稼いだだけ正確に分配するように体系を正しく打ち立てている」と指摘した。

 2人は農業分野について「国の計画を達成した農場で現物分配が実施された」と語り、国のノルマを果たした農場では、既に農民に一定部分が現物分配されていることを認めた。

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執筆者プロフィール
平井久志
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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