信用金庫にすがる新銀行東京の「素人経営」

執筆者:鷲尾香一 2005年11月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

昨年四月に東京都の全額出資で設立された新銀行東京。民間には出資交渉で袖にされ、融資残高も伸びない中で――。 新銀行東京は、石原慎太郎・東京都知事が掲げた「東京都が主体となる中小企業支援のための銀行設立」という選挙公約に基づき、昨年四月一日に設立された(開業は今年四月一日)。設立に先立つ検討段階では、資本金は千五百億円と計画され、東京都が一千億円を出資、残りの五百億円を開業までに民間から集める予定となっていた。 しかし、民間からの出資交渉は難航し、開業後の早い段階で五百億円のうち二百五十億円を民間からの出資で確保し、さらに、その後に残りの二百五十億円の出資を募るよう計画が変更される。それでも出資は集まらず、結局、当初の計画から半年以上遅れ、今年八月にかろうじて民間出資百八十億円を掻き集めた。 東京都の出資は四九九万一二〇七株。株の額面価額は一株二万円だから、出資金額は九百九十八億二千四百十四万円となる。一方、民間出資の合計は九〇万株で額は百八十億円。出資比率でいえば、東京都の八四・七二%に対して、民間は一五・二七%にすぎない。つまり同行は、いまだに完全な官業銀行であり、政策金融機関なのだ。

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