誰も判らないクレジット・デリバティブの闇の深さ

2005年11月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

米金融市場をまたもや見えないリスクが徘徊している。しかもそれは、金融当局の手の及ばないところで増殖を続けているのだ。[ニューヨーク発]九月十五日、ニューヨーク連邦銀行のガイトナー総裁が、JPモルガン・チェースをはじめウォール街の投資銀行十四行に「緊急招集」をかけた。前回の招集はヘッジファンド、ロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)の破綻が金融システムを揺るがし対応策を協議した一九九八年だから、まさに異例の事態。しかも会議には、英国、スイスなど欧州の金融当局の幹部も出席していた。「急拡大するクレジット・デリバティブ取引で決済処理の不備が慢性化している。迅速かつ厳格な事務処理を徹底してほしい」。クレジット・デリバティブは、近年、膨張著しい新手の金融取引。ニューヨーク連銀をはじめ米欧の金融当局は今、ここに大きなリスクが潜んでいると神経を昂ぶらせている。決済処理のわずかな躓きが、世界の金融システムを揺るがしかねない――。 クレジット・デリバティブは「信用リスク」を取引する金融派生商品。代表的な「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」で説明すると、企業にカネを貸している債権者が、事前にかけておく「保険」と考えるとわかりやすい。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
逆張りの思考
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順