「第四の大手石油」が設立された真の目的

執筆者:五味康平 2005年11月号
エリア: 中国・台湾

 中国に第四の大手石油会社、陝西延長石油集団が誕生した。陝西省内に乱立する石油開発会社二十一社と精製会社三社を統合したもので、原油生産、売上げ規模は中国の三大石油会社、中国石油天然ガス集団(CNPC)、中国石油化工集団(Sinopec)、中国海洋石油(CNOOC)に次ぐ規模になる。 ただ、新会社設立の目的は「四番目のメジャーをつくり、CNPCなどに対抗させることではない」と中国の石油関係者はみる。各地方で独立運営されている石油開発会社に対する中央の支配権を強化することで国内石油資源の乱開発を防ぎ、効率的な生産体制で石油の長期安定供給を図る狙いと捉えるべきだ。 実際、中国の各地では原油価格の高騰によって地場の中小油田を地方の石油会社が勝手に開発、計画性のない急激な増産に走ったため油層内の圧力が低下し、回収率が上がらないなどの問題が起き始めている。最新の石油開発技術では油層の形状から回収率を極大化する最適生産計画を立てて油井掘削に臨むが、中国の地方石油会社にはそうした技術はまったくないからだ。 中国は現在も日量三百五十万バレルを生産する世界第六位の産油国。エネルギー需要の急増で原油輸入も増えているが、国内のエネルギー資源が依然として中国にとってきわめて重要なのは間違いない。

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