米国から見た中国の「防空識別圏」設定

片桐範之
執筆者:片桐範之 2013年11月29日
 中国国防省が発表した東シナ海の「防空識別圏」の図=中国国防省ウェブサイトより(C)時事
中国国防省が発表した東シナ海の「防空識別圏」の図=中国国防省ウェブサイトより(C)時事

【アラバマ州マックスウェル空軍基地】先週末の中国による防空識別圏(ADIZ、米軍ではエイディズと発音する)設定の発表は日本で大きく取り上げられたが、アメリカでも注目されている。

 防空識別圏は一般的に安全保障上の理由から民間機の飛行ルートの事前確認などを要求する空域を指し、今回は中国が尖閣地域を含む東シナ海の一部に一方的に設定し、関連諸国からの反対を招き物議を醸している。中国の発表から数時間後にケリー国務長官とヘーゲル国防長官が反対を表明しており、アメリカが重要問題として位置づけているのが分かる。

 週明けまもなく、ワシントンを中心にアジア専門家がこぞって今回の動きを分析し報告している。多くの顧客を持ち、主にアジアの政治問題やゴシップを収集・分析する日刊ネルソン・レポートにも週明けから専門家数名の意見が掲載され、今回の出来事の重要性を伝えている。

 

 私が教鞭を取るマックスウェル空軍基地の空軍戦争大学でも強い興味を引いている。今週に入り既にB52爆撃機2機が通常訓練の一環として、グアムからこの防空識別圏内を堂々と飛行しているが 、我々が注目するのは今回の出来事が地域の軍事バランスと今後の軍事作戦に影響をもたらす問題だからだ。

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執筆者プロフィール
片桐範之
片桐範之 アメリカ空軍の最高教育課程である、空軍戦争大学の国際安全保障学部助教授。1977年生まれ。2010年にペンシルベニア大学政治学部より博士号取得。専門は国際安全保障、非正規戦争、東アジア政治。戦争大学では日本を含む北東アジアの授業、カリキュラム、そして毎年の日本訪問を担当している。2014年春には非対称戦争やイラク、アフガニスタンでのアメリカの軍事戦略に関わる博士論文がアメリカで出版される予定。
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