内紛で色あせたオレンジ革命「第二幕」の始まり

執筆者:松島芳彦 2005年11月号
カテゴリ: 国際
エリア: ヨーロッパ ロシア

[モスクワ発]ウクライナのユーシェンコ大統領は九月三十日、側近のエハヌロフ新首相をモスクワに派遣、自らの親欧米政権を生んだ昨年末のオレンジ革命で悪化したロシアとの関係修復に乗り出した。プーチン大統領は親しい人物しか呼ばないモスクワ郊外ノボ・オガリョボの公邸に首相を招き「両国関係の発展はあなたの双肩にかかっている」と持ち上げた。この会談の設定は、プーチン政権がウクライナとの関係を特別に重視していることを内外に印象付けた。 ほかにもウクライナ要人のモスクワ詣でが続いている。九月二十四日には、ユーシェンコ大統領とともに革命の立役者となりながら、大統領派と衝突し解任されたティモシェンコ前首相が極秘にロシア最高検察庁を訪れ、九〇年代にガス会社経営者としてロシア軍高官に賄賂を贈った疑いでの自らの国際手配を取り消してもらうことで合意した。プーチン大統領と会ったとの情報もある。訪問は「ロシア嫌いのティモシェンコとプーチンの手打ち」(クレムリン筋)を意味するという。 北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)への加盟を掲げ、ロシアに見切りをつけたかに見えたユーシェンコ大統領と、反ロシアの急先鋒だった前首相が、クレムリンに擦り寄る背景には、来年三月のウクライナ議会選への思惑がある。

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