フランスに漂う不満のガスに点火したサルコジ内相

執筆者:アダム・セージ 2005年12月号
エリア: ヨーロッパ

彼の現状打破の訴えは正しかったのだ。しかし、口が災いし、全土に暴動を広げてしまった。根本的な解決への道は遠い。[パリ発]フランスの野心ある政治家にとって、内相は避けて通りたいポストだ。突如、何の予兆もなく起きる怒りの爆発が、この国の歴史には香辛料のようにつきまとう。そんな時、最前線で“犠牲”となるのは、内相と決まっているからだ。 だが、ニコラ・サルコジは自ら選んで内相となった。一度ならず、二度までも。彼は並の政治家とは違うところを見せたかった。他の政治家が避けて通る難しい問題に正面から立ち向かう、強い指導者であることを示したかったのだ。

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