経済の頭で考えたこと
経済の頭で考えたこと(63)

「イランをめぐる新情勢」の中で「日本」は何ができるのか

田中直毅
執筆者:田中直毅 2013年12月9日
エリア: 中東 北米

 ジュネーブでの核協議は、イランの高濃縮ウラン製造停止などの見返りに、米欧が経済制裁の一部を緩和することで合意した。今後6カ月間、双方が合意の履行状況を見極める「第1段階の措置」の間に、包括的解決策を交渉するという11月24日の発表は、間違いなく歴史的な出来事だ。しかし安定した均衡解が中東に用意されたかと問われれば「否」である。イラン以外の中東の当事者たちはこれまでのポジションからの変更に踏み出そうとしており、新たなる不安定化要因が積み重なるからだ。これを展望するためには、まずなぜイランに対する経済制裁の強化が相当の期間持続したのかの分析から入らねばならない。

 

核開発と経済制裁

 2006年12月、国連安保理はイランに対する制裁決議を採択した。その前年に保守強硬派のアフマディネジャド大統領が選出され、核開発の拡大に入ったことが大きい。この時点でテヘランは自らの正当性を言い募っていたといってよい。

(1)核の平和利用の権利はイランが批准する核不拡散条約(NPT)で認められており、NPTの枠外のイスラエルなどとは国際的な位置が異なる。

(2)米国は核不拡散政策の実施という看板を掲げてはいるが、実際には二重基準をイランに対して押しつけている。

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執筆者プロフィール
田中直毅
田中直毅 国際公共政策研究センター理事長。1945年生れ。国民経済研究協会主任研究員を経て、84年より本格的に評論活動を始める。専門は国際政治・経済。2007年4月から現職。政府審議会委員を多数歴任。著書に『最後の十年 日本経済の構想』(日本経済新聞社)、『マネーが止まった』(講談社)などがある。
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