特権階級にしては「割安」だった軍給与を引き上げる胡錦濤の思惑

2005年12月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中国・台湾

 中国の軍関係筋によると、党中央は来年一月から軍将兵の給与を大幅に引き上げる方針を決定した。士官以上の幹部クラスに重点配分するという。江沢民・前総書記への忠誠を保つ軍幹部がいまだ多く、最高統帥権を固めきれない胡錦濤総書記は、待遇改善をテコに軍内の支持高揚を狙っているようだ。 地方の引退老幹部らが、軍の養老年金や引退後の待遇に不満を訴えることは過去にもあった。だが、今年四月、北京市内の軍総政治部庁舎の正門前に退役軍人ら千人近くが集結し、抗議活動を展開したことは、党中央に衝撃を与えた。総政治部が党中央弁公庁に「市民の目を避けるため、抗議者らの代表を構内に招き入れて話し合います」と打診し、許可が下りた瞬間、「なにも告げていないのに、案内人を無視し、数人の退役軍人代表は準備された会議室に自ら乗りこんだ」のだ。現役幹部と携帯電話で連絡していたのだった。 年金額は、引退時の階級・職級に応じて決まる。同じ階級・職級の現役幹部の待遇に合わせてスライドするため、現役の給与がアップしなければ、老幹部の待遇も改善されない。抗議行動は、現役幹部の不満の大きさを反映していたのである。 軍幹部の給与は、他の“特権階級”に比べれば少ない。たとえば北京市政府の給与体系は月額「三・五・八・一」と呼ばれる。課長級三千元、局長級五千元、副市長級八千元、市長級一万元、という意味だ。だが軍は、党内序列で局長級か副市長級の師団長ですら、三千元に達したばかり。不満が高まっていた。

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