ベイナー下院議長の影響力低下と後任の不在

足立正彦
執筆者:足立正彦 2013年12月10日
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

 今年1月に招集された第113議会の第1会期(2013年1月-2014年1月)が間もなく終了しようとしている。米議会は12月下旬からクリスマス休暇に入るため、審議に残された時間も実際にはほとんどない。第113議会の第1会期は12月初旬までに合計55本の法案しか成立させておらず、過去最低であった第112議会第1会期(2011年1月-2012年1月)の2011年12月初旬時点よりも成立法案の数が7本も少なく、米国史上最も成立法案の数が少なかった会期として歴史に残ろうとしている。

 

 昨年11月に行なわれた大統領選挙で再選を果たしたバラク・オバマ大統領にとって、第2期1年目となる第113議会の第1会期で、銃規制強化法案や包括的移民法改正法案といった主要法案の成立を図れなかったことは、大きな政治的打撃となった。2014年11月には中間選挙を控えており、第113議会第2会期では与野党対立がさらに激化し、成立法案の数はさらに減少することが予想される。オバマ大統領とともに第113議会の第1会期において政治的影響力の低下を最も露呈した政治家を挙げるのであれば、それはジョン・ベイナー下院議長(共和党、オハイオ州第8区)であろう。2014会計年度予算を巡る与野党対立から連邦政府機関は今年10月に16日間一部閉鎖される事態に追い込まれた。連邦政府機関の一部閉鎖に追い込まれた一連のプロセスでは、下院共和党をまとめ切れないベイナー下院議長の指導力の欠如が改めて浮き彫りとなった。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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