【フォーサイトノンフィクション】 高校バスケ「セネガルの活躍」が招いた留学生排斥

執筆者:出井康博 2005年12月号
エリア: アフリカ

高校バスケットボール界を席巻したセネガル人留学生。たしかに獲得方法には問題があった。しかし、その後の動きが象徴するのは、スポーツ界に限らず、外国人受け入れに対する定見を欠く日本そのものの姿である。「セネガルに負けるなあー!」 今年八月、千葉県で開催された全国高校総体(インターハイ)。バスケットボール男子決勝戦の最中、五千人の観衆で埋まった会場に大声が響き渡った。 決勝の組み合わせは、初優勝を目指す延岡学園(宮崎)と二度のインターハイ制覇を誇る名門・福岡大大濠(福岡)。序盤から僅差の好ゲームが展開するなか、勝負どころは必ず延岡学園のセネガル人留学生が得点をして突き放す。そんな展開に業を煮やした大濠サポーターが、思わず声を張り上げたのだ。

カテゴリ: スポーツ
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執筆者プロフィール
出井康博(いでいやすひろ) 1965年、岡山県生れ。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『日経ウィークリー』記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)を経てフリーに。著書に、本サイト連載を大幅加筆した『ルポ ニッポン絶望工場」(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『松下政経塾とは何か』(新潮新書)など。最新刊は『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)
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