オバマ政権「ポデスタ大統領顧問」起用の意味

足立正彦
執筆者:足立正彦 2013年12月16日
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

「アメリカの部屋」の中でも、再選を果たした現職大統領にとって第2期目の1年目がいかに重要であるかについては何度か指摘してきた。オバマ政権の第2期目の1年目である第113議会第1会期が間もなく終わろうとしている。読者の方々も記憶されているかもしれないが、12月14日はコネティカット州のサンディフック小学校で幼い児童や教師ら26名が銃乱射事件の犠牲になってから1周年であった。オバマ政権はこの事件に対応する形で、相当の時間とエネルギーを注ぎ、今年1月に招集された第113議会第1会期での銃規制強化法案の成立を目指した。だが、保守的地域から選出された民主党議員も銃所有の権利を訴える地元有権者からの反発を恐れて同法案に反対し、法案成立を図ることができなかった。また、オバマ政権は包括的移民法改正法案の成立も目指したが、保守派の共和党下院議員が同法案の成立には消極的姿勢を示しており、下院での同法案の審議は棚上げ状態となっている。今会期での成立を目指していたこれら主要法案がことごとく成立を阻止される中で、オバマ政権は第2期目の2年目となる新たな年を迎えようとしている。

 

 各種世論調査でも、バラク・オバマ大統領の支持率は最低水準を更新し続けている。こうした観点からもオバマ大統領自身にとり第2期目の1年目は非常に不本意な1年であったと推察される。来年11月には中間選挙を控えており、共和党と妥協しながら法案の成立を図ることがさらに困難となることは必至である。現在のような形でのオバマ政権の「漂流状態」が来月初旬に招集される第113議会第2会期でも引き続き続いた場合、2014年中間選挙では上院でも共和党が多数党の立場に8年振りに復帰し、上下両院ともに共和党が支配する政治状況が出現する可能性が高い。オバマ大統領もそうした最悪のシナリオを想定し、最近、ホワイトハウスの立て直しに向けた大胆な決断を下した。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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