「2024年サンクトペテルブルク五輪」は可能か

名越健郎
執筆者:名越健郎 2013年12月18日
カテゴリ: スポーツ 国際
エリア: ロシア

 2014年2月7日に開幕するソチ冬季五輪の準備に突貫工事で取り組んでいるロシアが、東京五輪に続く2024年夏季五輪をサンクトペテルブルクに誘致することを検討している。ロシア国内五輪委員会のジューコフ委員長は11月中旬、「サンクトペテルブルクは24年五輪の有力候補になり得る」と表明。ポルタフチェンコ同市市長も「立候補手続きを進めている」と述べた。プーチン大統領側近のコザク副首相は「サンクトペテルブルクは24年夏季五輪の開催能力があり、この構想が政府内で相当の支持を得ている」とし、プーチン大統領が望んでいることを示唆した。

 

有終の美を五輪で

 2024年と言えば、18年の大統領選出馬を示唆しているプーチン大統領が、4選を果たした場合、6年の任期を全うする最後の年となる。四半世紀近い長期政権を目論む大統領は政権最後の年に郷里で夏季五輪を主催し、ロシア史に燦然たるページを刻もうとしているかにみえる。同大統領は2003年、建都300周年を盛大に祝ったり、06年にはサンクトペテルブルクでG8サミットを開催。トヨタ、日産、フォードなど大手自動車メーカーを誘致するなど、地元への利益誘導を図ってきたが、五輪はその集大成となる。あるいは、五輪を起爆剤に、憲法を改正し、5選を狙うかもしれない。仮にそうなれば、政権君臨期間は30年となり、独裁者・スターリンを凌駕する。

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執筆者プロフィール
名越健郎
名越健郎 1953年岡山県生れ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長を歴任。2011年、同社退社。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学東アジア調査研究センター特任教授。著書に『クレムリン秘密文書は語る―闇の日ソ関係史』(中公新書)、『独裁者たちへ!!―ひと口レジスタンス459』(講談社)、『ジョークで読む国際政治』(新潮新書)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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