バングラデシュ「イスラム政党幹部処刑」で国民統合に重大危機

執筆者:緒方麻也 2013年12月19日
カテゴリ: 国際 政治
 戦勝記念日で沸き立つバングラデシュの群集 (C)AFP=時事
戦勝記念日で沸き立つバングラデシュの群集 (C)AFP=時事

 北朝鮮の政権ナンバー2だった張成沢氏の突然の処刑が世界を震撼させているが、ほぼ同時期に南アジア・バングラデシュで行なわれたイスラム政党、ジャマエテ・イスラミ(イスラム協会、JI)幹部に対する死刑執行は、同国の行く末に重大な影響を与えそうだ。バングラデシュ国内では早くも、死刑執行に対するイスラム政党活動家や支持者らによる暴力的な抗議行動が続発している。今後、おなじみの破壊行動型ゼネスト「ホルタール」が各地に拡大する可能性が強く、2014年1月5日に迫った次期総選挙の平和的な実施はおろか、軌道に乗っていた経済や治安維持、そしてバングラデシュの国民統合にも大きなダメージを与えかねない情勢だ。

 12月12日に処刑されたのは、バングラデシュ最大のイスラム政党JIのアブドルカデル・モラー幹事長代理(65)。1971年の同国の独立戦争時に、事実上の支配勢力だった西パキスタン(現パキスタン)に加担し、独立派知識人ら市民344 人 を殺害したことが主な起訴理由だ。政府が2010年に設置した戦争犯罪特別法廷では、これまでJI幹部ら8人に死刑判決が出ているが、実際に処刑されたのはモラー氏が初めてとなった。

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