「張成沢粛清」後の政治潮流――金正日総書記死去2年の追悼大会で見えたもの

執筆者:平井久志 2013年12月20日
エリア: アジア
 12月17日、中央追悼大会の後の錦繍山太陽宮殿訪問。金慶喜氏の姿はなかった (C)EPA=時事
12月17日、中央追悼大会の後の錦繍山太陽宮殿訪問。金慶喜氏の姿はなかった (C)EPA=時事

 12月17日は金正日(キム・ジョンイル)総書記の命日だったが、北朝鮮の追悼行事は昨年の死亡1周年の時とは異なったものになった。昨年は前日に追悼中央大会が開かれ、当日には錦繍山太陽宮殿参拝と金正恩(キム・ジョンウン)第1書記への忠誠を誓う軍の決意大会が開かれた。今年は前日の16日に軍の忠誠大会が開かれ、17日に中央追悼大会が開かれ、その後に錦繍山太陽宮殿訪問が行なわれた。

 金日成(キム・イルソン)主席の死亡の時も1周年の中央追悼大会は命日の前日に、2周年では命日当日に開いており、このやり方を踏襲したとみられる。

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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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