北米市場の立役者を投入 トヨタ中国進出の熱烈

執筆者:山内桂也 2005年12月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: 中国・台湾 北米

 奥田碩日本経団連会長(トヨタ自動車会長)が九月三十日に中国を極秘訪問し、胡錦濤国家主席と会談していたことが明らかになった。九月二十六日に日中経済協会訪中団のトップとして北京で温家宝首相らと会談し、帰国後、再び北京を訪れたという。 中国政府はこのところ、「トヨタとは会うが小泉政権とは直接的な話し合いに応じない」(日中外交筋)という態度を一貫して取ってきた。今年五月に来日した呉儀・副首相はトヨタのお膝元の中部国際空港(愛知県常滑市)に到着後、豊田章一郎名誉会長や豊田章男副社長(当時は中国担当専務)と会談。愛知万博を見学した後、東京で奥田会長に会うと、小泉純一郎首相との会談を急遽、取り止めて帰国してしまった。 まさに「政冷経熱」の日中関係。靖国問題で対立する日中両国政府だが、トヨタにとって成長著しい中国は必要不可欠の有望市場だ。一方、中国政府にとって、トヨタは一層の経済発展のためには欠かせないパートナー。中国がハイブリッド車「プリウス」の海外初生産を誘致、トヨタがそれに応じたのは、相思相愛にある両者の関係を象徴している。 つまり、小泉政権の対中外交が破綻状態にある中、“小泉側近”で中国首脳と前向きな話ができる唯一の人物がトヨタ会長で経団連会長を務める奥田氏だった。奥田氏は小泉首相のメッセージを中国側に伝えたとされ、内閣改造前には奥田氏の外相起用という噂すら飛んだ。

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