「東アジア共同体」構想に熱を入れる中国の真意

執筆者:伊藤正 2005年12月号
カテゴリ: 国際 金融
エリア: 中国・台湾

中国外交の根幹は、自国を中心とした経済・安全保障ブロック形成にある。東アジアサミットを控えて盛り上がる「共同体構想」の将来は――[北京発]北京で十一月九日に開会した第五回六カ国協議は、二〇〇三年の第一回以来、最短の三日間で終わった。「休会」とされ、早期に第二セッションを開くとしているものの、越年は必至だ。今回は九月の第四回協議第二セッションで初めて合意した共同声明の具体化に前進できるかが注目されたが、議論は入り口で止まったままだった。 日本政府首席代表の佐々江賢一郎外務省アジア大洋州局長は協議終了後の記者会見で、核問題解決のプロセス全体を「森」、個々の具体化作業を「木」と「枝葉」にたとえ、「(森の入り口から)木までの中間くらいの位置に着いた」と述べた。この先、枝葉を整えるまでにどれほど時間がかかるのか。せめて今回は木には到達しなければならなかった。「木」にも到達できないであろうことは事前に予測されていた。協議関係筋によると、中国側は「関係国との事前の調整が十分でなく、準備不足」と述べていたが、これは中国外務省が米朝に派遣した李濱担当大使による調整が不調に終わったことを意味していた。最大の問題は、共同声明で核放棄後に検討するとした軽水炉について、北朝鮮が前回協議終了後、軽水炉の優先建設が核放棄の条件と主張していたことだった。

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