またしても「金ぴか時代」がやって来た

執筆者:小田博利 2006年1月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

ネットトレーダーたちにとり憑く“取り残される焦り”。「金融緩和は長びく」との観測が強まる中で、マネーゲームの過熱はますます進むが…… 米国株の上昇は「根拠なき熱狂(irrational exuberance)」ではないか。グリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は一九九六年十二月、マーケットにこう問いかけた。奥田碩・日本経団連会長が十二月五日の会見で述べた「バブル期のような雰囲気」という発言は、日本におけるグリーンスパン発言なのではないか。 日経平均株価が五年ぶりに一万五千円台を回復し、東京証券取引所一部上場企業の時価総額も五百兆円に乗せ、日本の名目国内総生産(GDP)に並んだ。「危ない銀行」を特集していた週刊誌は、昔から財テクものをやらない『週刊新潮』などを除けば、こぞって上がる株を特集している。いままた訪れた「拝金主義(金ぴか時代)」を奥田氏は批判する。 若き日にフィリピン駐在に長らく据え置かれ、時間をもて余し万巻の書を繙いた奥田氏は、今でも『フォーリン・アフェアーズ』を定期購読する大変な読書家である。「株を買っていないと取り残されるような焦燥感が、買いが買いを呼んでいる」。この表現は、IT(情報技術)バブル崩壊前にリスクを指摘したロバート・シラー米エール大学教授の著書『根拠なき熱狂』を思い起こさせる。

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