尖閣問題をめぐる米国の誤解(上)尖閣領有と下関条約

武内宏樹
執筆者:武内宏樹 2014年1月6日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 中国・台湾 北米

 昨年12月4日、著名なジャーナリスト(ニューヨーク・タイムズのコラムニスト)であるニコラス・クリストフ氏がニューヨーク・タイムズ紙に、「現代のハットフィールド家とマッコイ家」(“Today’s Hatfields and McCoys”)と題して日中関係に関するコラムを寄稿した【リンク】。タイトルは、現在の日中関係を19世紀にウェスト・バージニアとケンタッキーの州境で反目しあっていたハットフィールド家とマッコイ家になぞらえたものである。筆者はChina Pol という中国を専門としている学者やジャーナリストが集うメール・フォーラムに参加しているのであるが、そこでもこのコラムは話題になった。

 このコラムには少なくとも2つの点で事実誤認と誤解があり、筆者はその点をChina Pol でも指摘したし、クリストフ氏自身にもメールを送って質したものである。一方で、クリストフ氏の事実誤認・誤解は、米国人の間にも頻繁に見られるものだと思われる。安倍首相の昨年末の靖国参拝に対して米国大使館が「失望した」(disappointed)という反応を示したことに衝撃が走ったように、2014年は米国が日中をどう見ているのかを考えることが大事になりそうである。そこで、2回にわたって尖閣問題における米国の誤解を論じてみたい。

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執筆者プロフィール
武内宏樹
武内宏樹 サザンメソジスト大学(SMU)政治学部准教授、同大学タワーセンター政治学研究所サン・アンド・スター日本・東アジアプログラム部長。1973年生れ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)博士課程修了、博士(政治学)。UCLA 政治学部講師、スタンフォード大学公共政策プログラム講師を経て、2008年よりSMUアシスタント・プロフェッサーを務め、2014年より現職。著書に『党国体制の現在―変容する社会と中国共産党の適応』(共編著、慶應義塾大学出版会、2012年)、Tax Reform in Rural China: Revenue, Resistance, Authoritarian Rule (ケンブリッジ大学出版会、2014年)。ほかに、International Relations of the Asia-Pacific、Japanese Journal of Political Science、Journal of Chinese Political Science、Journal of Contemporary China、Journal of East Asian Studies、Modern Chinaなどに英語論文を掲載。専門は、中国政治、日本政治、東アジアの国際関係及び政治経済学。
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