2020年の「日中関係」を考える

樋泉克夫

「東南アジアの部屋」からは些かはみ出すと思うが、年頭に当たって、東京オリンピックが開催される2020年を、フト考えてみた。

 

 おそらく今回の選挙で選ばれる新しい都知事がオリンピック準備を粛々と進め、任期を大過なく送った場合、再選された2期目の知事の下で東京オリンピックが開催されることだろう。さて、その時、東アジアの国際情勢はどうなっているだろうか。中国、韓国、北朝鮮、さらには東南アジアの国々の動向だ。現在、安倍晋三首相が八面六臂の活躍で進めている“地球儀外交”が、その時に、どのような結果をもたらしているのか。

 

儒教と共産党政権は共通原理

 とりわけ 日中関係に絞って2020年を考えてみたいのだが、前提として注目すべきは、 前年の2019年である。

 100年前の1919年5月4日、天安門広場で起こった「五・四運動」は、一面では第1次世界大戦の戦後処理を巡っての反日運動だった。さて、そこでかりに 2019年の前の段階で、安倍外交が国際的に築いた反中包囲網が奏功し、中国経済が破綻して共産党政権が苦境に陥っていたとする。その時、果たして共産党政権は五・四運動100周年を大々的に祝い、国民の目を外の世界に向けるべく激しい反日運動を展開し、東京オリンピックに横やりを入れてくるだろうか。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫
樋泉克夫 愛知大学教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年より現職。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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