米国発「黒客」攻撃か――中国ネットで空前の接続障害

野嶋剛
執筆者:野嶋剛 2014年1月23日
カテゴリ: IT・メディア 国際
エリア: 中国・台湾 北米

 1月21日、中国でネットユーザーが多くのウェブサイトに接続ができなくなり、メールの送受信にも明らかな不具合が現れた。この接続異常は中国時間の午後3時ごろから5時ぐらいまで続いた。有力ポータルサイトの「百度」「新浪」「テンセント」などがことごとく影響を受け、過去に起きたネット障害の範囲としては空前のものとなった。

 原因は、ドメインネームとIPアドレスを対応させるドメインネームシステム(DNS)サーバーの異常だったようだ。ドメインとIPアドレスはネット上の住所のようなもので、ドメインはそれぞれの名称で例えばwww.fsight.jpのようないわゆるアドレスで、IPアドレスは例えば11.111.111.11のような数字の組み合わせ。ドメイン名をIPアドレスに変換することでネット上の通信が可能になり、この変換はネットの基本動作のようなもので、これが正しく行われないと、ネットそのものが成り立たない。

 21日は、不思議なことに、中国で多くのサイトに接続しようとすると、ことごとく「65.49.2.178」というIPアドレスにリダイレクト(転送)されてしまったという。このIPアドレスは米国ノースカロライナ州の「ダイナミック・インターネット・テクノロジー」という会社のものだった。この会社は中国政府のネット規制によって削除されたメッセージやつぶやきを復活させるソフトウェアを提供するなど、中国政府に対抗する団体や個人にとって役に立つビジネスを行っている会社だった。

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執筆者プロフィール
野嶋剛
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。
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