防空識別圏――平時の自由と安全と秩序ある飛行の保障

2014年1月26日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 中国・台湾

 昨年、中国が11月、韓国が12月に防空識別圏の新設、拡大を公告した。日本国内では「中国が防空識別圏をわが防空識別圏の中に設定するのはけしからん」「領空に設定するのはもってのほか」など非難が姦しい。

 軍事に属する防空識別圏は、領空と連続し、平時においても主権を脅かす脅威の排除と密接に関係している。その防空識別圏の設定に隣国や国際社会が何処まで干渉できるのか。また、防空識別圏内で他国の航空機を何処まで拘束できるのか考えてみる。

 敵の航空侵攻を阻止する防空作戦では、領土から可能な限り遠方で敵機を迎え撃つことが重視される。従って、発見・識別が遠方であればあるほど、会敵点も遠方になり戦闘に余裕時間が生まれる。この敵味方識別の前縁が防空識別圏の外周を形成し、迎撃のための緊急発進(スクランブル)発令のタイミングを計る目安となる。

 日本海側のわが国防空識別圏は朝鮮戦争休戦直後に設定された。その前縁は、米軍が建設したレーダーサイトの最大探知距離、および当時の最新鋭ジェット戦闘機、ソ連のMIG-15・米国のF-86Fの速度、武装などを考慮して決定された。勿論、今日では衛星の監視能力を考慮すれば防空識別圏が限り無く拡大されていくという理屈も成り立つが、第5世代戦闘機のF35、そして探知距離を延伸した合成開口レーダーなどの装備であっても、現在の防空識別圏の前縁をはるかに超える遠方での探知や戦闘を可能としている。

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