自民党総裁選をめぐる「時間の攻防」が始まる

2006年2月号
カテゴリ: 政治 金融
エリア: 日本

 小泉純一郎首相の退陣まで、あと九カ月。新年を迎えた永田町の関心は一段と「ポスト小泉」に向けられ、自民党総裁任期である九月以降の続投を完全否定する首相には「用はない」とばかりに、総裁選への発言が相次いでいる。「争点の最大のひとつは省庁再々編だ」。一月八日、竹中平蔵総務相は民放テレビ番組でそうぶちあげた。総務省、経済産業省、文化庁に分散しているIT(情報技術)関連の行政組織の統合構想は、一見時宜にかなっているようにも思えるが、再々編には予算も絡むことから通常国会での着手は現実的ではない。にもかかわらずの発言には、ある狙いがこめられていた。「福田さんの考えには非常に共感を持っている」。竹中発言に先立つ一月六日、山崎拓・元自民党副総裁は民放テレビ番組の収録で小泉首相の靖国神社参拝を批判し、親中派の福田康夫元官房長官にすり寄った。後継レースで本命視される安倍晋三官房長官は靖国参拝を公言している。八日の竹中発言は、安倍氏と正反対の立場をとり争点を作り出そうと目論む山崎氏への牽制だった。 武部勤自民党幹事長の提唱する「国民参加型の総裁選の導入」も、ここに来て無視できないテーマとなりつつある。武部氏が口にした昨年十一月、党内からは「思いつき」と冷笑されたが、一月五日になって小泉首相が「皆で知恵を絞ってほしい」と後押し。武部氏の念頭には、各党が州単位の予備選や党員集会でしだいに候補者を絞っていく米大統領選がある。通常国会閉幕後に比例代表の全国十一ブロックで大会を開催、候補者の討論会、党員以外も参加できる模擬投票を含めた構想が実現すれば、世論調査で人気が高い安倍氏はいっそう有利になる。

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