反タクシン運動の持つ“不都合な真実”

樋泉克夫
執筆者:樋泉克夫 2014年1月31日

 インラック政権は総選挙実施の方針を、一方の反タクシン勢力は総選挙ボイコットの姿勢を崩してはいない。こうなれば、いわゆるガチンコ勝負で2月2日を迎えることになるわけだ。このままでは総選挙は北部と東北部で実施されるが、民主党の地盤である南部とバンコク首都圏では実施されないという異常事態が発生する可能性は極めて高く、総選挙後に誕生するであろう新政権の正当性にも疑問符がつくことになるはずだ。

 

 1月29日、反タクシン勢力の代表格ともいえるアピシット(袁順利)民主党党首は、側近の1人で同党経済委員会メンバーのウィーラチャイ(李天文)元首相府大臣と共に、バンコクにおいて「タイ資産評価協会」なる新興経済団体の幹部との会議に出席している。同協会は、政府や民間の金融機関や一般企業の資産評価サービスを目的に17年前に設立されたものであり、かねてから同協会に関連する法整備を政府や政界関係者に訴えていた。

 この日の会議でアピシット党首は、

「資産評価ビジネスは、国家財政と行政管理面でも極めて重要である。これから想定される政府主導の大型公共工事における不動産評価において意義あるだけでなく、政府関係者の不正防止にも役立てることができる」

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執筆者プロフィール
樋泉克夫
樋泉克夫 愛知大学教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年より現職。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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