移民問題から見る米国政治(上)「13%」「4200万人」の重み

執筆者:武内宏樹 2014年2月12日
エリア: 北米

 日本では想像する術もないが、米国政治において移民問題は、右へ行くか、左に行くか、賛成か否かといった、常に国論を二分する議論を生み出してきたといえる。しばしば「米国は移民の国」と言われるように、建国以来(というより建国前から)米国外で生まれた人たちによって国の礎が築かれてきたのであるから、移民問題が政治・経済・社会をめぐる根本問題として認識されてきたのは当然のことであろう。

 サザンメソジスト大学タワーセンターで講演するパッセル氏
サザンメソジスト大学タワーセンターで講演するパッセル氏

 それゆえに、米国では移民問題をめぐる活発な議論が各地で頻繁に展開されている。ここテキサス州ダラス、筆者が所属するサザンメソジスト大学タワーセンター政治学研究所でも、1月30日に1つの講演があった。米国を代表する世論調査機関のピュー研究所(Pew Research Center)上級研究員である移民問題の大御所、ジェフリー・パッセル(Jeffrey Passel)氏による「人口動態の変化と政治への影響」(Demographic Changes and Their Political Impact)と題したものであった。

カテゴリ: 政治 社会 カルチャー
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