世界のLNGプラントを独占受注する日本企業――「エンジニアリング」の強さとは何か 1

執筆者:船木春仁 2006年2月号
カテゴリ: 経済・ビジネス

 厳冬の新年だというのにロシアは、価格交渉の決裂を理由にウクライナへの天然ガス供給を停止する強硬措置に出た。その政治的な背景は別にして、ロシアからヨーロッパに延びるパイプラインの巨大さに目を奪われ、いかにロシアがエネルギー供給でヨーロッパの首根っこを押さえているかに驚かされた人も多かったのではないだろうか。 エネルギーをめぐる攻防が、石油から天然ガスに移りつつあるのを実感させる出来事だったが、エネルギー開発の焦点は、すでに天然ガスそのものからLNG(液化天然ガス)へと移り始めている。 現在はまだ、世界で生産される天然ガスのうちLNGになるのは七%程度にすぎないが、ここ数年は猛烈に需要が増え、生産量は年率八―九%の勢いで増えている。二〇一五年には少なく見積もっても現在の三倍の四億トンが生産される。 天然ガスが利用されるのは、石油よりも埋蔵量が多く可採年数が長い、資源が世界中に分散しているので石油のような中東偏在の地政学的リスクを回避できるなどの理由による。それを液化することで海上輸送を可能にしたLNGは、特にアメリカでの環境規制による天然ガス田の開発の遅れと中国の需要の増加、さらに日本のような島国でもエネルギーの安全保障に手を打てることから、新たなエネルギー覇権の象徴となっている。

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