対中経済交流の管理強化に走る陳政権

執筆者: 2006年2月号
タグ: 中国 台湾
エリア: アジア

 紆余曲折を経ながらも相互依存が進んできた中国と台湾の経済関係だが、水を差す出来事が二〇〇五年末から続いている。 まず十二月二十四日、中国の対台交流窓口団体である海峡両岸関係協会の汪道涵会長が死去した。汪氏は、台湾側のカウンターパートでセメント大手の台湾水泥などを率いてきた財界の大物、辜振甫・海峡交流基金会理事長とともに、一九九〇年代の中台当局間の準公式対話の主役を務めてきた。 シンガポールなどで会談し、汪氏と個人的な信頼関係を築いたとされる辜氏は〇五年一月、一足早く鬼籍に入った。中台対話は九九年七月に台湾の李登輝総統(当時)が提起した「中台は特殊な国と国の関係」だとする「二国論」を境に途絶えていたが、両氏の死去で「汪辜会談」の成果は完全に過去のものとなった。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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