華字紙『世界日報』で読み解く「混迷タイ政情」の今後

執筆者:樋泉克夫 2014年2月17日
エリア: アジア

 2月2日の総選挙は終わった。中央選挙管理員会は、全国9万4454投票所のうちの89.28%に当たる8万4325カ所で投票が実施されたと発表したが、ということは、1万カ所強の投票所が妨害などによって投票できなかったということになる。全国の投票率は47.74%で、前回2011年の75%を大きく下回った。

 2月11日には、中央選管が今回の選挙で投票が実施できなかった選挙区における再選挙を4月に実施する方向を打ち出した。しかし、投票中止となったクラビー、チュンポン、パンガー、プケット、ソンクラーなど南部9県は民主党の強力な地盤だけに、再選挙実施の見込みは立ちそうにない。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫(ひいずみかつお) 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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