タイ「新段階」の兆し? 混乱最中に国王に拝謁していた「最大企業集団」総帥

樋泉克夫
執筆者:樋泉克夫 2014年2月20日
 プミポン国王の真意は……(C)AFP=時事
プミポン国王の真意は……(C)AFP=時事

 バンコクを頂点にシャム湾に正三角形を描くとするなら、ヴェトナム戦争当時にアメリカ兵が休息するために開発され、現在は国際リゾートとして知られるパタヤは底辺の右の頂点に当たる。左の頂点、つまりシャム湾を挟んでパタヤ対岸に位置するのがホワヒンだ。王室の離宮があるだけに、パタヤほどには風俗化せず、落ち着きのあるリゾートである。郊外に在って、タイ最古の歴史を誇る『ザ・ロイヤル・ホアヒン・ゴルフコース』は、日本の名門コースとして著名な『川奈ホテルゴルフコース 』(静岡県)のコース設計のモデルとなったといわれるだけあって、変化に富みながらも優雅な雰囲気を感じさせる。

 1932年6月のある日、このゴルフ場でラーマ7世 プラチャーティポック王はゴルフを楽しんでいた。そこに侍従の1人が大慌ての態で駆けつけ、バンコクで「パティワット(タイ語で革命を意味するが、一般的にはクーデター)」が発生したことを告げる。すると国王は「して、パティワットとは?」と問うたまま、ゴルフを続行したとか。この時の「パティワット」によって、タイ王国は現在の「国王を元首とする民主主義政体」(憲法第2条)につながる立憲君主制の国家に移行した。1932年の立憲革命のひとコマである。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫
樋泉克夫 愛知大学教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年より現職。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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