「米移民法改正法案」今会期中の可決に暗雲

足立正彦
執筆者:足立正彦 2014年2月20日
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

 第113議会第2会期(2014年1月-2015年1月)は上院が1月6日に、下院は1月7日にそれぞれ開会され、約1カ月半が経過しようとしている。1月28日には米議会上下両院本会議でバラク・オバマ大統領が今後の施政方針を示す「一般教書演説」を行い、オバマ政権の優先政策課題を明らかにした。同演説の中でオバマ大統領は優先政策課題の1つとして移民法改正法案を可決するよう米議会に対し要請している。

 オバマ大統領の要請を受け、ジョン・ベイナー下院議長(共和党-オハイオ州第8区)は当初、米国内に滞在している不法移民に対し法的立場を付与する一方、不法移民の米国内への流入を阻止する目的でメキシコとの国境警備の一層の強化などを柱とする下院共和党の移民法改正法案の枠組みを明らかにしていた。ところが、最近、ベイナー下院議長は移民法改正法案の審議は今会期中には行われない可能性を示唆した。

 移民法改正法案の審議に消極的な下院共和党には党内事情がある。今年11月に中間選挙を控え、移民法改正法案に焦点を当てることで党内対立を有権者に露呈することは賢明ではないとの議論が党内にはある。特に、今回の中間選挙では共和党の上院奪還の可能性があるため、今会期中に下院で移民法改正に取り組むのではなく、中間選挙に勝利し、上下両院で共和党が多数党の立場を確保した上で、2015年1月に招集される第114議会でこの問題に取り組むべきとの議論が浮上してきている。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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