財政再建には、イギリス財務省のあり方に倣え

執筆者:土居丈朗 2006年2月号
エリア: ヨーロッパ 日本

総合調整なしでは、官僚システムの無駄、非効率は変えられない。霞が関を“国民が選んだ政策”に沿って動かすには―― 昨年の総選挙後、小泉改革のスピードはさらに加速した。郵政民営化関連法案成立でとどまるかと思いきや、国家公務員定数の純減、政府系金融機関改革、特別会計の見直しなど、これまでこれらを牛耳ってきた霞が関の官僚でさえタジタジになるほどの勢いで具体化していった。 今年は、ポスト小泉に向けて、財政再建の具体策を巡って様々に議論されることとなっている。この小泉改革の勢いを止めないようにしつつ、我が国行財政最大の問題である財政赤字削減を全うしてゆくには、何が必要だろうか。 もちろん、歳出削減や、やむをえない増税の具体策を議論しなければならないが、それだけで済ませてよいわけではない。そもそも、これまでに未曾有の政府債務を累増させた行財政制度そのものにも根本的にメスを入れなければ、財政再建は貫徹したことにならない。 特に、将来の増税をできるだけ少なくし、効果的に歳出削減を行なうには、霞が関の指揮命令体系を抜本的に改めなければ、一時しのぎに堕す恐れがある。省益に忠実な官僚が、保身のために自らの担当する部署の予算を巧妙に温存しようとする。目下小泉改革の歳出削減の嵐が吹いているから、権限のうまみの少ないものを削減のいけにえに差し出すが、嵐が通り過ぎればまたぞろ自らの省や局を有利にしようとする振舞いが跋扈するかもしれない。

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