80時間世界一周 (18)

新聞社も支えは女性 男尊女卑のイランに見た希望

執筆者:竹田いさみ 2006年2月号
タグ: イラン 日本
エリア: 中東

 核開発問題を始め、なにかとお騒がせなイランだが、この国には世界から一目おかれる女性弁護士がいる。イラン初、イスラム圏の女性としても初のノーベル平和賞受賞者のシリン・エバディ(一九四七年生まれ)だ。男尊女卑が残るイスラム社会で女性の社会的地位の向上や、児童虐待を防止する法整備などに尽力したことで知られる。 テヘラン大学を卒業し、司法修習生を経てイラン女性初の裁判官に。この間に私法で博士号を取得している。二〇〇三年にノーベル平和賞を受賞して以来、東奔西走の毎日が続く。同賞の受賞者には、受賞した瞬間から山のような講演依頼が殺到するからだ。テヘランの個人事務所に出かけていっても不在が多いから、面会の約束を取るのは至難の業と聞いた。

カテゴリ: IT・メディア
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執筆者プロフィール
竹田いさみ(たけだいさみ) 獨協大学外国語学部教授。1952年生れ。上智大学大学院国際関係論専攻修了。シドニー大学・ロンドン大学留学。Ph.D.(国際政治史)取得。著書に『移民・難民・援助の政治学』(勁草書房、アジア・太平洋賞受賞)、『物語 オーストラリアの歴史』(中公新書)、『国際テロネットワーク』(講談社現代新書)、『世界史をつくった海賊』(ちくま新書)、『世界を動かす海賊』(ちくま新書)など。
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