ブッシュ政権に吹く「パーフェクト・ストーム」

名越健郎
執筆者:名越健郎 2006年2月号
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

 複数のハリケーンが合流して一気に発達する現象を「パーフェクト・ストーム」と呼ぶ。1991年に大西洋上でこの現象が発生し、漁船が沈没するなど米国北東部を中心に大きな被害が出たが、現在のブッシュ米政権もさながらパーフェクト・ストームに襲われた格好である。 第一の嵐は、米兵の死者2100人、イラク人の死者3万人を超えたイラク戦争の泥沼化。第二に、ニューオーリンズを襲った本物のハリケーン「カトリーナ」の猛威。第三に、最高裁判事の指名撤回。第四に、中央情報局(CIA)工作員の実名漏洩に絡む副大統領首席補佐官リビー氏の起訴。これらの嵐の合体で、大統領の支持率は一時、これまでで最低の35%に落ち込み、早々とレームダック化がささやかれ始めた。 ブッシュ大統領が25回目のイラク演説を行なった。「われわれはイラクを再建し、イラク国民に仕事と希望を与える。……それが成功したら、イラク・モデルをニューオーリンズで試してみる」 ホワイトハウスの国家安全保障会議でイラク問題が話し合われた。 ラムズフェルド国防長官「イラク情勢は計画通り進んでいない」 ブッシュ大統領「計画があったのか」 問 ブッシュ政権にとって、イラク問題の出口戦略は何か。

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執筆者プロフィール
名越健郎
名越健郎 1953年岡山県生れ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長を歴任。2011年、同社退社。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学東アジア調査研究センター特任教授。著書に『クレムリン秘密文書は語る―闇の日ソ関係史』(中公新書)、『独裁者たちへ!!―ひと口レジスタンス459』(講談社)、『ジョークで読む国際政治』(新潮新書)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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