国際論壇レビュー
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日本では報じられない「北朝鮮の非道」「中国海軍力の脅威」

会田弘継
 「夏」(シア)級原子力弾道ミサイル潜水艦を先頭に航行する中国艦隊 (C)AFP=時事
「夏」(シア)級原子力弾道ミサイル潜水艦を先頭に航行する中国艦隊 (C)AFP=時事

 日本のメディアは、そして日本人は、怒りが足りないのではないか――。そう言いたくなる。北朝鮮の人権問題を調べていた国連調査委員会が、その報告書を公表した。もっと大きく、厳しく、報じるべきだった。1日遅れで、世界の反応に右顧左眄してから報じたような日本の有力紙もあった。【Report of the Commission of Inquiry on Human Rights in the Democratic People's Republic of Korea

「国連、北朝鮮をナチ政権にたとえる」。北朝鮮からは遠く離れた英国の高級紙『ガーディアン』でさえ、そんなタイトル(実際の紙面。ネット版とは異なる)で、1000語を超える長文記事を大きく1面トップに据えた。記者会見した調査委員会のカービー委員長(オーストラリアの元判事)は、北朝鮮の収容所を脱出した人が、飢え死にした収容者たちの死体を焼き、その灰を肥料に使わされたという証言を引いて、訴えた。

「その情景を思い浮かべると、第2次世界大戦が終わったときに知った(ナチの犯罪の)恐怖、失望、無念の記憶がよみがえる。あれと同じようなことを暴き出す仕事を、自分が生きているうちに引き受けるとは思っても見なかった」

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執筆者プロフィール
会田弘継
会田弘継 青山学院大学地球社会共生学部教授、共同通信客員論説委員。1951年生れ。東京外国語大学英米科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを歴任。2015年4月より現職。著書に本誌連載をまとめた『追跡・アメリカの思想家たち』(新潮選書)、『戦争を始めるのは誰か』(講談社現代新書)、訳書にフランシス・フクヤマ『アメリカの終わり』(講談社)などがある。
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