経済の頭で考えたこと
経済の頭で考えたこと(65)

中国「腐敗撲滅」と連動する「シャドー・バンキング」後始末

田中直毅
執筆者:田中直毅 2014年3月3日
エリア: 中国・台湾
 2月7日、ロシアのソチでプーチン大統領と握手する中国の習近平国家主席 (C)AFP=時事
2月7日、ロシアのソチでプーチン大統領と握手する中国の習近平国家主席 (C)AFP=時事

 中国で銀行を経由しない投融資が急拡大し、そのメカニズムの持続性が問われるに至っている。いわゆる影の銀行(シャドー・バンキング)問題である。

 私はシャドー・バンキングが果たしてきた経済的、そして社会的役割の解明がまず必要だと考える。また中国社会において拡大した不均衡の行方の展望が緊急度を増す中、想定される調整メカニズムの仕組みを複数のプレイヤーの動機に即して解明せねばならないと考える。シャドー・バンキング問題の着地点は、一体どこなのだろうか。

 中国のシャドー・バンキングは、規模において米国のFRB(連邦準備理事会)の資産約4兆ドルに匹敵するほどに膨れ上がっていると考えられている。

 米国金融の量的緩和の縮小が論じられただけで、世界の金融情勢に大きな変化が及んだのが2013年の特徴だった。FRBは連邦債やMBS(住宅抵当証券)の購入を、少しずつ規模を縮小しながらしかし依然として持続させているが、やがて購入しなくなる。すでに4兆ドルにまで資産規模を急増させたことは、他方でFRBの負債もまた急増させたのであり、その影響は今後とも多方面に及ぶ。しかしここで確認しておくべきは、資産が急速に劣化しているわけではないという点だ。

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執筆者プロフィール
田中直毅
田中直毅 国際公共政策研究センター理事長。1945年生れ。国民経済研究協会主任研究員を経て、84年より本格的に評論活動を始める。専門は国際政治・経済。2007年4月から現職。政府審議会委員を多数歴任。著書に『最後の十年 日本経済の構想』(日本経済新聞社)、『マネーが止まった』(講談社)などがある。
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