ロシアが秘密にする「核保管査察」という屈辱

2006年3月号
カテゴリ: 国際
エリア: ロシア 北米

 ロシアと米国はこのほど、ロシアの核閉鎖都市などでの数百トンもの核物質の保管状況を点検するため、米国の専門家が立ち入り査察を行なうことで基本合意に達した。 戦略兵器削減条約(START)に基づく核弾頭などの廃棄作業については相互査察が可能とされている。だが、保管状況の監視をめぐっては包括的な合意がこれまでなかった。 ロシアは、解体した核弾頭から取り出したプルトニウムのテロ組織への流出を防ぐため、米国から多額の資金や物資の支援を受けている。そのため、今回は一方的な査察受け入れの圧力に屈せざるをえなかった。米国の支援は保安システムを構築する大量のコンピューターや核コンテナなどを含め総額七十億ドル分を超えるが、有効活用されているかは疑問視されている。 基本合意にあたってロシアは、見返りとして米側の施設の査察も要求したが、「米国は(ロシアから)支援を受けていない」と一蹴された。クレムリンは、核戦力の心臓部である閉鎖都市に外国の一方的な査察が入る事態が軍部の反発を招くことを憂慮し、合意について公表しない方針を決めたという。

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