日本は「共和党」でいいのか?――続・移民問題から見る米国政治

武内宏樹
執筆者:武内宏樹 2014年3月13日
エリア: 北米

 日本国内では、移民問題に対して決して敏感であるとは言えないし、蚊帳の外にある問題であろうが、一方、米国にとっては基本問題であり、移民政策は常に政治の中心に置かれてきた。このような事情に鑑み、移民問題と米国政治について今少し論考を試みたい。

 

構造的要因

 2月2日付の日本経済新聞の「風見鶏」欄に、特別編集委員の伊奈久喜氏による「なぜ日本は『共和党』なのか」という刺激的な論考が掲載された。伊奈氏によると、最近の日米関係がぎくしゃくしているのは「日本が政治家も官僚もメディアも、オバマ政権与党の民主党ではなく、共和党に傾斜しすぎている」という「構造的要因」があるからだという。

 伊奈氏は次の3点を理由として挙げている。第1は地理的な要因で、かつてのソ連、現在は中国という脅威に直面しているため、似たような状況にある米国のアラスカ州同様、「非融和主義的イメージの共和党」寄りになる。第2は歴史的な要因で、最近では中国訪問時に日本を素通りして「ジャパン・パッシング」と揶揄されたクリントン大統領のように、偶然かもしれないが民主党政権のときに日米関係が悪化する傾向がある。第3は心理的な要因で、「自民党と共和党との間には保守同士の親和性がある」のに対して、2009年に鳩山首相は民主党と民主党との日米関係構築に失敗した。すなわち、初めて日本が保守でなくなったそのとき、「非保守同士」の信頼関係構築のチャンスだったのであるが、そのチャンスを逃した。

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執筆者プロフィール
武内宏樹
武内宏樹 サザンメソジスト大学(SMU)政治学部准教授、同大学タワーセンター政治学研究所サン・アンド・スター日本・東アジアプログラム部長。1973年生れ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)博士課程修了、博士(政治学)。UCLA 政治学部講師、スタンフォード大学公共政策プログラム講師を経て、2008年よりSMUアシスタント・プロフェッサーを務め、2014年より現職。著書に『党国体制の現在―変容する社会と中国共産党の適応』(共編著、慶應義塾大学出版会、2012年)、Tax Reform in Rural China: Revenue, Resistance, Authoritarian Rule (ケンブリッジ大学出版会、2014年)。ほかに、International Relations of the Asia-Pacific、Japanese Journal of Political Science、Journal of Chinese Political Science、Journal of Contemporary China、Journal of East Asian Studies、Modern Chinaなどに英語論文を掲載。専門は、中国政治、日本政治、東アジアの国際関係及び政治経済学。
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