民主党・中間選挙の切り札「クリントン元大統領」の人気ぶり

執筆者:足立正彦 2014年3月13日
エリア: 北米

 政権2期目の2年目を迎えているバラク・オバマ大統領の支持率は引き続き低迷している。米ギャラップ社が公表した最新世論調査(3月3-9日の1週間の平均)では、「支持する」との回答が43%であるのに対し、「支持しない」は53%に達し、「支持しない」が「支持する」を10ポイントも上回っている。3月11日に投開票が行われたフロリダ州第13区選出の連邦下院議員補欠選挙では、医療保険制度改革関連法(オバマケア)に争点を絞って「オバマ批判」の選挙キャンペーンを展開した共和党候補が勝利を収めている。同補欠選挙での民主党候補の敗北は、オバマ政権、民主党に「逆風」が吹いていることを米国民に印象付けた。オバマ大統領は大統領貿易促進権限(TPA)法案やキーストーンXLパイプライン建設問題などについて与党・民主党の中核的支持基盤からも離反や反発を受けており、今年11月に行われる中間選挙に向け厳しい状況にある。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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