「環境税」の名を捨てて実も捨てかねない不安

執筆者:秋谷葉一 2006年3月号
エリア: 日本

「今年こそ環境税構想が実現するかどうかの正念場だ」。環境省のある幹部はそう腕を撫す。昨年末の自民党税制調査会で「検討事項」扱いになり、環境省が二年連続で挑戦した環境税導入はまたも先送りされた。推進派の議員からは「次(二〇〇六年)からは消費税論議が本格化するので、再挑戦は現実的にムリ」との声が上がる。だがしかし、税構想は水面下で動き始めている。 環境税の環境省案は、企業・一般家庭を対象に、使用する石油など化石燃料の含有炭素量に応じて課税する。燃料使用を抑制すると同時に、約三千八百億円と見込まれる税収を森林保全など温暖化対策の財源に充てるというもの。京都議定書で定めた温室効果ガス削減の実施期間(二〇〇八―一二年)が再来年に迫り、財源の確保は待ったなしだ。これまでは、推進派の環境省・農林水産省と、企業の負担増による国際競争力の低下を恐れる経済産業省・日本経団連が対立する構図だった。 実は、経産省が環境税構想を受け入れる素地はある。環境税「新設」に反対する経産省の杉山秀二事務次官は昨年から「既に相当膨大な炭化水素課税(石油・石炭など化石燃料を対象とした税)が導入されており、その活用を図ることがまず考えられるべき」と、既存エネルギー関係税の組み替えによる環境税導入の可能性を示唆している。

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