北朝鮮「最高人民会議選挙」を読む(下)35年ぶり党大会も視野に

平井久志
執筆者:平井久志 2014年3月20日
カテゴリ: 国際
エリア: 朝鮮半島

「北朝鮮『最高人民会議選挙』を読む(上)『大幅世代交代』より『権力安定』」から続く】

 一方、今回の選挙は一定程度の世代交代はなされたが、思い切った世代交代とまではいえない結果だった。既存の世代では代議員に残留した勢力と脱落した勢力に分かれた。

 

長老組も当選で安定志向

 長老組の象徴は金日成(キム・イルソン)主席の実弟の金英柱(キム・ヨンジュ)最高人民会議常任委員会名誉副委員長(93)や李乙雪(リ・ウルソル)元帥(92)、楊亨燮(ヤン・ヒョンソプ)最高人民委員会常任委員会副委員長(88)らが代議員に選ばれたことだ。実質的には引退している金英柱氏や李乙雪氏らをなお代議員に選出し、一気の世代交代にブレーキを掛けた。

 軍の長老格である金永春(キム・ヨンチュン)(78)、李勇武(リ・ヨンム)(89)、呉克烈(オ・グクリョル)各国防委員会副委員長(84)もそれぞれ代議員に選ばれた。

 4月に予定されている最高人民会議第13期第1回会議では張成沢(チャン・ソンテク)国防委副委員長の粛清・処刑もあり、国防委員会のメンバー再編も指摘されていたが、長老格の3人の代議員残留で委員会の再編は小幅になる可能性も出てきた。

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執筆者プロフィール
平井久志
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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