胡錦濤は、なぜいま「生活作風」に切り込んだのか

執筆者:藤田洋毅 2006年3月号
タグ: 中国 台湾 日本
エリア: アジア

党や軍、行政府の幹部・官僚の腐敗はあとを絶たない。業を煮やした胡は、腐敗に必ずと言っていいほど付きまとうものに目をつけた。「こりゃ、わが高射砲より正確な照準だ!」――ソファでのけぞりながら大笑いするのは、中国軍中央の佐官級幹部だ。北京中心部から車で約一時間半、隣接する河北省某市のカラオケバーに繰り出し、三十畳ほどのVIP用個室でバー自慢の「ショー」を楽しんでいる。目の前のテーブルにのった下半身あらわなホステスは、ピンポン玉を陰部に挿入し天井に向け発射する技を披露、続けてやはり下半身でビール瓶の栓を抜いたり綱引きしたり……。同行の運転手・部下も一緒に大騒ぎ。店への支払いは、招待した内陸部のある私営企業の経営者まかせだ。軍ナンバーのアウディで乗りつけた一行は、数時間後に赤ら顔の運転手が高速道路を猛スピードで飛ばし帰京したという。経営者の知人で、宴に呼び出された日本人ビジネスマンは、唖然とした顔つきで一夜を語った。

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