Win-Winを!「よい外資」が選別される

執筆者:関根栄一 2006年3月号
エリア: 中国・台湾

 中国のGDP(国内総生産)統計の上方修正がしばしば話題を集めるが、商務省がとりまとめる外資統計についても修正作業が始まったことは意外に知られていない。 外資統計は従来、商務省が一元的に所管し、外資からの届け出ベースで投資案件の契約件数・契約金額・実行金額を集計する方法が取られてきた。しかし二〇〇四年から国家外為管理局が行なった調査によれば、外資企業が中国国内の銀行に開設した資本金口座への資金流入額と商務省に報告された数字との間に、無視できない乖離があることが分かってきたのだ。 商務省の外資統計が、成立しても実行されなかった契約や撤退した外資の実態を必ずしも正確に反映していなかったのは事実である。これを考えると、実態より水増しされた実行金額が届け出られていた可能性は拭えない。今後、外資の実行金額が下方修正されれば、外資導入実績の多さを競って中央にアピールしてきた地方政府には大きな打撃となる。 同時に見逃せないのは、届け出水増し分には現地法人の資本金を装った投機資金も含まれるであろうことだ。あるいは本当の外資だけでなく、国内資金でありながら不法な手段で一度海外に流された後、「偽外資」として中国国内に戻ってくるケースも指摘されている。ある試算では、中国の外資導入金額の実に三割はこの「偽外資」との結果が出た。

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