欧州メディア最大手ベルテルスマンが迫られる株式公開への決断

2006年3月号
エリア: ヨーロッパ

 欧州のメディア企業最大手、ドイツのベルテルスマンが株式公開を検討している。長年にわたってモーン一族が支配する同社は、欧州では残された数少ない同族企業。カネ余りで投資先を探している投資家には大きなニュースが飛び込んできた。 仕掛けたのは、ベルギーの投資会社グループ、ブリュッセル・ランベールを率いる著名投資家アルベール・フレール氏(八〇)。二〇〇一年に欧州最大のテレビ会社RTLの保有株式三〇%をベルテルスマンに売る見返りとして得た同社株二五%を、保有期間が切れる〇六年五月以降に株式市場で売る権利の行使を申し出てきたからだ。その額は市場推定で五十億ユーロ(約七千億円)と言われる。フレール氏側は投資先をメディアから素材産業に向けるため、「市場環境が許せば〇七年初めに市場で売却したい」としている。 ベルテルスマンは傘下にテレビ大手RTL、ソニーと折半出資した音楽会社ソニーBMG・ミュージックエンタテインメント、米国の出版社ランダムハウスなどを抱える。十九世紀に聖書や聖歌の本の販売企業として誕生した同社は、メディア企業へ変貌し、〇四年の売上高が百七十億ユーロ(約二兆四千億円)、純利益が十億三千二百万ユーロに拡大。だが、世界的知名度とは裏腹に、本社はドイツ西部のギュータースローという地方都市に置き、株式は非公開。モーン一族が株式の一七%、一族が支配する基金が五七%を保有する。

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