堕ちゆく世界の迷走
堕ちゆく世界の迷走(43)

米国債「ナゾの売り主」と目される「中国」の思惑

 笑顔の裏で”腹”の探り合い (C)AFP=時事
笑顔の裏で”腹”の探り合い (C)AFP=時事

 200人余りの乗客と搭乗員を乗せて忽然と姿を消した、マレーシア航空機のようではないか―― 。国際金融の世界でそんな声が上がっている。某国の通貨当局が3月に入り、米国債を大量に売り越したのである。ウクライナをめぐって米国と対立姿勢を強めているロシアが売ったのではないか。市場関係者の憶測がメディアを駆け巡ったが、本当なのだろうか。

 まず海外当局が米国債と米政府機関債を大量に売ったことは間違いない。ニューヨーク連銀のカストディー(保護預かり)勘定における、海外当局保有分の残高をみよう。米連邦準備制度理事会(FRB)によれば、その残高は以下の如し。

 2月19日 3.32兆ドル

 2月26日 3.33兆ドル

 3月5日  3.31兆ドル

 3月12日 3.21兆ドル

 3月19日 3.23兆ドル

 3月5日から12日までの1週間に1061億ドル、円換算で10兆円を上回る火砕流のような売りが起きたのだ。折しもロシアによるクリミアの併合の動きが風雲急を告げ、オバマ米大統領はロシアに対する経済制裁の拳を振り上げていた。米国がまず打ち出したのは、ロシアのペルソン・ノングラータ(要注意人物)の個人資産である。

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