我に返った日本を迎えるパワーとマネーの多極化世界

執筆者:小田博利 2006年4月号
カテゴリ: 国際 金融

インドと組んだ「対中封じ込め」を模索するアメリカ、警戒する中国。陸続と台頭する新興成長国家の存在感が世界の「力の論理」を根底から変える。果てしなく続く国家経営競争の時代は、もう、とっくに始まっている。 ブッシュ米大統領の訪問に抗議して、三日、カラチ、ラワルピンディ、イスラマバードなど各地で激しい反米デモが起きた。パキスタン当局は、厳戒態勢を敷いている――。 三月上旬に行なわれたブッシュ大統領のアフガニスタン、インド、パキスタン歴訪。中国共産党機関紙『人民日報』の日本語ネット版は、朝日新聞のネット版に載った反米デモの記事だけを紹介する。妙に素っ気ない扱いから、逆に米印接近への警戒感が透けて見える。 折から中国では第十期全国人民代表大会(全人代)第四回会議が始まり、国防予算の大幅増が打ち出された。全人代で承認されることになる二〇〇六年度国防予算案は、総額が前年比一四・七%増の二千八百三十八億元(三百五十一億ドル)。中国側の公式説明は、これまた木で鼻を括るようなものである。 全人代の姜恩柱報道官によると、国家予算全体に占める割合は七・四%で、比重は過去数年とほぼ同じ。「中国の国防費用は絶対額でも、対国民総生産(GNP)比でも、国家予算に占める割合でも、相対的に低い水準にある」(『人民日報』)。

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