イタリア総選挙が分けるベルルスコーニの命運

執筆者:大木明 2006年4月号
カテゴリ: 国際 金融
エリア: ヨーロッパ

イタリアには珍しい長期政権を維持してきたベルルスコーニ首相。苦戦の今回は、選挙制度を変えてまで権力にしがみつこうとしているが――。 四月九、十日に予定されるイタリア総選挙に向け、ベルルスコーニ首相が人生最大の正念場を迎えている。与党の中道右派連合が苦戦を強いられているためだ。再選を阻もうとしているのは長年の「宿敵」のプロディ元首相。欧州連合(EU)の前欧州委員長だ。惨敗して権力の後ろ盾を失えば、これまで封印されてきた贈収賄疑惑など数々のスキャンダルが再燃し、政治生命だけでなく実業家としての地位も危機にさらされる可能性さえ取りざたされている。 二月十日夜、トリノ市内のコムナーレ競技場。全世界にテレビ中継されたトリノ五輪の開幕式典は「国家の威信」を示す格好の舞台となった。伊オペラ界の大御所パバロッティはプッチーニのオペラ「トゥーランドット」を高らかに歌った。伊高級車フェラーリは深紅のF1マシンを派手にスピンさせ、会場の白い床に五輪マークを浮かび上がらせた。 ところがその晴れ舞台となるはずの式典会場に、肝心のベルルスコーニ首相は最後まで姿を見せなかった。その夜、首相は民放テレビの討論番組に約二時間出演し、国民に熱心に選挙での支持を訴えていたのだ。

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