イタリアには珍しい長期政権を維持してきたベルルスコーニ首相。苦戦の今回は、選挙制度を変えてまで権力にしがみつこうとしているが――。 四月九、十日に予定されるイタリア総選挙に向け、ベルルスコーニ首相が人生最大の正念場を迎えている。与党の中道右派連合が苦戦を強いられているためだ。再選を阻もうとしているのは長年の「宿敵」のプロディ元首相。欧州連合(EU)の前欧州委員長だ。惨敗して権力の後ろ盾を失えば、これまで封印されてきた贈収賄疑惑など数々のスキャンダルが再燃し、政治生命だけでなく実業家としての地位も危機にさらされる可能性さえ取りざたされている。
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